第41節 対ヴェルディ戦

4-2
得点 河野、藤本、香川、酒本、藤本、土屋


前節大一番の湘南戦を制し、最高のムードで迎えたヴェルディ戦。得てしてこうしたビッグゲームの後ではリズムを崩しがちだし、相手は苦手なヴェルディ、しかも中2日と難しい試合になる状況がそろっていた。


前半はこのイヤな予感が的中。スペースをねらって上下動を繰り返す大黒に前田がまったくつききれず、ボールさえ入れば、という場面を何度も作られてしまう。さらに中盤の運動量がまったく不足しており、ボールをつなごうとしてはイヤな位置で奪われる、の繰り返し。


ゴール前に上げてきたロングボールを大黒がうまく落とし、林が絡んだところに河野がドフリーで走り込み、14分に早くも先制されてしまう。その後も中盤で完全に劣勢に立たされ、何度もチャンスを作られてしまう。早々に対応しないと前半で試合を決められてしまいそうなほどの勢いがあったのだが、2点目かと思われた大黒のシュートはポスト、はね返りを決めた林のヘディングはからくもオフサイドの判定に助けられた。


後半、なんらかの策を打たないとどうにもならないように思ったのだが選手交代はなし。追加点を取られたら絶望的、という状況だったのだが、なぜか立ち上がりからセレッソがペースを握る。開始直後には香川がドリブルから抜け出しGKとの1対1となるがシュートは止められてしまう。


その後もセレッソが中盤でボールを持てるようになり、藤本が中盤でボールを奪うとかんたんにはたいてそのままフリーランニング。カイオ→乾とつながったボールをペナ内で藤本が受け、冷静にゴール左上へ決めた。


この見事な攻めあがりに感激したのもつかの間、さらに乾がゴールラインぎりぎりまでドリブルで抜け出し、ふんわりと上げたクロスに香川が競り勝ちすぐに逆転してしまった。これは乾のクロスの質もすばらしかったが、香川についていた相手がDFのうまくない河野だったのもよかった。前半から攻守にわたって効いていた河野を失点に関わらせたことも試合展開に影響したのではないだろうか。


ここでひと息ついてもおかしくない展開ではあったのだが、セレッソは手を緩めず、香川の巧みなタメから出されたスルーパスになんとか走り込んだシャケがスライディング気味のダイレクトでシュートを決め、後半立ち上がりから15分で3点を奪った。


この後も同じような形でチャンスを作ったのだが、これはさすがに決められず。シャケは左でシュート打てるようになれば、プレーの幅が飛躍的に広がるのだが。


後半30分すぎにはシャケのFKから藤本がヘディングでゴールを上げ試合を決定づけた。康太は05年に4試合連続ゴールを上げていたころの感覚が完全に戻ってきたのではないだろうか。DFでも対人能力の高さを存分に発揮しており、いまの4-3-3で3ボランチの底、というのは康太の能力が最大限に生かせるポジションなのかもしれない。湘南戦に続いてセットプレーから得点できたことも、古橋がいなくなってからのセットプレーがまったくチャンスになっていなかったこともあり、非常に大きい。


しかしながら、試合終盤にCKから土屋にあっさり決められ、セットプレー時の対応も引き続き大きな課題を残してしまった。湘南戦での失点を生かせていないという意味でこの失点は大きく、今後ほかのチームも間違いなくねらってくる。ファーポストにも前田なり康太なりのヘディングで競れる選手を配置するなり、しっかり対応しないと、昨年の仙台戦のようにどこかでとてつもない痛い目を見ることにつながりかねない。


次はホームで栃木戦。ミッドウィークの試合を挟んでの3連戦3戦目に弱いというデータもあるだけに、気を引き締めて挑みたい。