第3節 対栃木戦

1-0

得点 カイオ


長居での今シーズン2試合目。相手は新加入組ながら、湘南に敗戦しながらも内容的には互角以上だった、らしい栃木SC。彼我の力を見極め、勝ち点をあげるために最も可能性の高い道を探りながらチームを作り上げてくる。今シーズン新たに就任した松田監督にはそんな印象がある。決して侮ってよい相手ではない。


試合前にはスタジアムDJ西川くんが、Jリーグで初のアウェイゲームとなる栃木サポーターに、歓迎のことばを送る。そうかこの長居が、彼らが「J」で経験する最初のアウェイなのか。遠来から駆けつけた彼らの胸の内を思い、なんともグッと来た瞬間だった。聞けば栃木SCはリーグ戦ではまだ得点をあげてないという。リーグ初得点&初勝ち点をめざして挑んでくるに違いない。


心配していた雨も降らず、第2節とベンチも含めてまったくメンバーを変えずにこの試合に臨んだセレッソ。香川くんがこの試合の後、代表に合流してしまうため、不在時の布陣に当たりを付けておきたかったのだが…。


試合は予想通り栃木が前線から積極的にプレスをかけてくるため、セレッソの前線にいい形でボールが入らない。香川、乾の2シャドーがボールを持っても、いつものフットサルのようなつなぎが見られず、あっさりと奪い返されてしまう。特に香川くんが調子が悪そうで、持ちすぎては囲まれてカウンターに、という場面が繰り返し見られた。


降着した試合展開のなか、シャケのコーナーキックからカイオがヘディングで先制。カイオはゴールパフォ時に、ゴール裏の本当に真下まで来てくれる。そして自分のユニの9番を握り口づけ。本当にこの番号がうれしいんだろうな。昨年はセットプレーからの得点が少なかったのに、今年は3試合連続。古橋の移籍で今年のセットプレーは期待できないと思っていたのに、なんとも貴重なゴールをあげてくれた。


今シーズンここまでの2試合は、後半に相手のスタミナが切れ始めると押せ押せの展開になっていたので、この試合でも期待していたのだが、後半も流れは変わらず。追加点をねらってか、交代選手としてコケが登場。OUTするのはまさかの香川くん。クルピもやはりこの試合の彼は本調子ではないと判断したのか。はたまた代表で不在となった時の布陣を試したのか。しかしこの交代から試合ははっきりと栃木ペースに。チアゴや金の活躍で失点は防いでいたが、追加点のにおいはまったくしなかった。コケは2年前のセレッソ在籍時とまったく変わらぬコケのまま。後半途中出場にもかかわらず、ピッチを優雅にさまよい歩いていた。


試合後は金のヒーローインタビュー終了と同時に、バシャバシャのゲリラ豪雨が降り始めた。試合中はなんとか天気がもってくれてよかった。雨が降り出すと、なにかハプニングが起こる可能性も高まるしね。


というわけで、ガツガツ来る相手が相変わらず苦手なところを見せてしまったセレッソ。しかし昨年はこんな感じの試合では最後に追いつかれるなり、逆転されるなりしていた。結果を残せるようになったという点では、非常に喜ばしいゲームになったといえるかな。しかし、香川くん不在時の2試合には大きな不安を残したまま。さらにいえば、金も含めた外国籍選手4人組が1人でも抜けると、戦力がガタ落ちになりそうな気配も濃厚に漂う。とにかく勝ち点を積み重ねることが最優先なのはもちろんだが、51試合のJ2を戦い抜くために、チーム全体としての底上げが必要となってくるだろう。