第28節 甲府戦

1-1
得点 乾、マラニョン


第2C、上位3チームとの対戦は2分1敗と1勝もあげられずに終わった。湘南戦での大量失点を受けて、「スライディング解禁」など守備の立て直しを図ってきたセレッソだったが、この日の失点もフリーで上げられたクロスにほぼフリーで合わせられてのもの。前半は比較的プレスにいけていたのだが、後半は甲府よりも先に足が止まり、中盤でまったくボールがつなげずに防戦一方。


甲府の途中出場、キム シンヨンが決定機を外しまくり、セレッソにいたころとあまり変わっていないところを見せてくれたお陰でなんとか勝ち点1を拾うことができた。


結果として1失点に抑えることができたため、1得点に終わった攻撃陣を責める声もあるけれど、あれだけ攻め込まれていて点だけ取ってこいというのも酷なもの。これまでと同じ形で失点している以上、その部分を改善しない限りは守備を立て直すことができたとはいえないだろう。


上位陣対決とはいえ順位が下の相手との対戦で、本来はドローで終わればOK、ではあるのだが前節湘南に敗れたところにこの結果ということで、目標は昇格ではなく優勝、などということのおこがましさばかりが浮き彫りになってしまった。

 第27節 湘南戦

3-4
得点 坂本、濱田、香川アジエル香川、坂本、永田


ま、まけた…。
今季最多動員となった首位決戦。悔しい完封負けを喫したアウェイ戦の雪辱をはらすためにも、なんとしても勝ちたかった湘南戦は、昨季の屈辱のシンボルともいえる第3C仙台戦を彷彿とさせる逆転負けに終わった。


第1Cの負けに関しては、ロースコアで湘南がやりたい形で進められてしまってのもの。しかし今日の攻め合いは湘南が望まないものであったはずで、いわゆるセレッソの形にしてもそれでも勝てないというところに、チーム状態の深刻さを感じた。


とにかくサイドからフリーでクロスを上げさせすぎだし、中に入ったボールに対して人数はそろっているのに、相手選手と競らなすぎ。今季セレッソは選手の能力はJ2で断トツ、などと持ち上げられることが多いけど、こんな相手をなめたサッカーをやっていて勝っていけるはずがない。真摯に戦うサッカーが見たいんだ。

 第26節 栃木戦

3-1
得点 乾、香川、高安、香川


上位対決の狭間の難敵、栃木とのアウェイゲーム。第1Cでも苦戦、さらにここ2試合は甲府、湘南相手に追いついてのドローと苦戦が予想されたが、結果だけ見ればあっさりと勝つことができた。


とはいえ、序盤からボールを回され乾が先制ゴールをあげるまでは苦しい試合だったのも事実で。その先制ゴールは相手DFラインのギャップをついた乾の飛び出しに、ハマが美しいスルーパスでアシストしたもの。キーパーと1対1となった乾は冷静に交わしてシュート。貴重な先制点となった。


先制するとペースダウンして、結果苦戦となることが多いセレッソだがこの日は中盤で多少ゆとりをもってボールが持てるようになり、それが2点目につながった。センターサークル付近でフリーでボールを持った香川が、ループっぽいロングシュート。え、なんで?というタイミングだったが、これがワクに決まり2点差に。これでじっくりプレイできる状況を作ることができた。


後半、江添→前田に珍しいDF同士の選手交代。江添はケガだろうか? 仙台戦から集中したプレイができていたので離脱なると非常に痛い。軽傷ですめばいいのだが。さらに乾がイエローをもらい次節、大事な湘南戦で出場停止に。これまた痛い。柿谷を出してしまったため、香川・乾の2シャドーが控えがいない。ボランチにマルが戻るので、ハマを前に上げて使うのだろうか?


さらに小松→藤本の交代で実質ゼロトップとなり、セレッソは完全に逃げ切りモードに。が、もはやお約束ともいえるクロスからの競り合いに負け、あっさりと失点。カウンターから3点目を奪い、勝利することはできたが守備の緩さは変わらず見られたゲームだった。


次節、ホームで迎える湘南戦はマル、さらにはいよいよカイオが復帰と目されるが、乾が出場停止、江添が負傷?ととても万全とはいえない状況。しかしマルのいないこの2試合をなんとか乗り切ったように、湘南とも最低ドローで乗り切りたいところだが。

 第25節 仙台戦

0-0


7月上位対決シリーズ第1戦はスコアレスドローに終わった。が、ここのところ失点続きだったセレッソにとって無失点で90分を終えたこと、昇格争いのライバルとなる仙台から実質勝ち点2を奪ったこと、大黒柱のマルチネス抜きで戦える形が見えてきたこと、と収穫の多い1戦だったといっていいだろう。


これだけ気分よく長居からの帰路につけたのも久しぶりで、間違いなく今シーズンのベストゲームだった。それが価値試合でないというのもくやしいっちゃくやしいのだけれど。


後半のCKからの失点で相手ファウルをとってもらったこと、中原のポスト直撃弾など、セレッソ目線で見ているとどうしてもピンチばかりが印象に残り、どうにかこうにか得た勝ち点1、という印象だが、仙台サポから見るとまた違った形勢であったのかもしれない。


いずれにせよ試合後ゴール裏へ来た選手たちを見ても満足していないことは十分に伝わってきたし、この試合を活かして、決して侮れない栃木や首位対決となる湘南に挑んでもらいたい。


それにしても試合前の平松大阪市長、民放アナ出身だけあってスピーチが抜群にうまかった。大人数を相手にしたときの間の取り方や、4月のアウェイゲームの結果を盛り込む下調べなど、パブリックな場でしゃべる場合のお手本にもってこいのあいさつだったように思う。選挙で入れるかどうかはさておき、少し見直してしまった。あれだけ仙台サポをあおっていたので、もし負けていたらフラグ扱いされていたことは間違いなかったけれどもね。

 第24節 水戸戦

3-2
得点 香川、O.G.(前田)、乾、香川、大和田


他の上位陣がそろってこけて迎えた水戸戦。勝てば待望の首位奪取、という状況でなんとか結果だけは残すことができた。


すっかり水戸戦キラーとなった香川くんの活躍で勝つことはできたが、またしても複数失点のDFには不満だらけ。さらにマルチネスはまた不用意にカードをもらい、次節から2試合出場停止となってしまった。マルチネスはプレイでの貢献度は絶大だが、やはりゲームマネジメントに対する責任感が欠落しすぎている。これで万が一セレッソが昇格できなかったときに、責任を取って移籍する、なんて噴飯ものだ。


前節、2ゴールで復調の兆しを見せた小松もこのゲームでは目立ったプレイはできず。このまま驚異的な回復を見せているカイオにスタメンを譲り渡してしまうのだろうか。そうなると、ベンチにアキがすっかり定着している状況ではサブメンバーにも入れなくなってしまうのだが…。


後半のカウンターからの2得点は見事。シーズン序盤に見られた美しいハーフカウンターと似た形でのゴールで、しっかりDFしてからのこのような得点で着実に勝ち点を得ていくサッカーを思い出してもらいたい。

 第23節 愛媛戦

4-2
得点 小松、小松、ジョジマール、石神、香川、横谷


小松がようやく得点し連敗を止めたものの、この先には大いに不安を抱かせられる一戦となった。なにはともあれ愛媛のGK、もっさんに感謝。


マルチネスが復帰したものの、それほど圧倒的にゲームを支配できたわけではなく、カウンターから危ない場面が何度か見られた。前半を0-0で終えられたのはむしろ幸運だったぐらいで。


後半、相手DFラインがなぜか作ってくれたギャップを乾から小松へのスルーパスでうまく使い、トラップが大きくなったところをなぜかもっさんはすぐに飛び出さず、小松のシュートで先制。続いて2点目も小松が決め、このままゲームを終わらせなければいけないところだったが、カウンターからきれいに1点返されてしまう。これは相手陣内での黒木のファウルからだったのだが、ファウルした黒木は切り替えが遅くカウンターで攻め込まれる一因となった。


その後、乾の決定機はもっさんに弾かれ残念、と思いきや絶妙な位置に弾いてくれ、これにしっかり詰めていた石神が決めてくれ追加点。これで試合は一気に楽になり、相手PA内でのハンドも律儀にとってくれたため3点リードとなった。


のだが、さらにカウンターを1失点目と同じような形でくらい、結果は4-2。攻めても攻めてもなかなか決めきれなかったセレッソに対し、愛媛の少ないチャンスを見事に決められ、スコアほどの余裕はないゲームとなってしまった。


この調子で昇格できるほどJ2は甘くない、と思うのだが、どうにかできないものだろうか。

 第22節 鳥栖戦

0-2
得点 山瀬(弟)、マイク

お得なJR西日本パスを使って現地観戦。前日宿泊した福岡の海産物はおいしかったなあ…。ラーメンはやっぱりそんなに好みじゃなかったけど。と試合そのものはなかったことにしときたくなる不甲斐ないものだった。


出場停止のジンヒョン、マルチネスに加え復帰したばかりのチアゴも負傷欠場。ボランチは藤本、黒木のコンビがスタメンに。キックオフ直後から鳥栖の激しいプレスもあって、セレッソはボールをつなげず、キープもできない。香川、乾がボールをもつ回数自体が少なく、たまに持ててもつっかけてはDFに引っかかってカウンターをくらって、の繰り返し。小松にいたってはほとんどボールにさわっていなかったんじゃないだろうか。


鳥栖は高地、島田を中心に中盤をしっかりつないできていたが、ゴール前でそれほど決定的なピンチはなかった。


どちらも得点機の少ない前半を終え、後半の入り方に注目していたが、両チームともそれほど戦い方は変えてこず。失点の気配はそれほどしないものの、それ以上に得点できる気がしないという試合展開。後半10分すぎと復帰後最速のタイミングでアキが平島と同時投入された。てっきりアキは小松と交代かと思ったのだが、前田outでセレッソは4バックに。


今季これまでの試合では、アキが入ると明らかにセレッソの攻撃圧力が強まることが多かったのだが、この試合ではそんなアキ効果もそれほど見られず。いいロングボールが入ることが少なかったこともあって、アキの見事なポストがそれほどなかった。そんななか、カウンターから左サイドで、山瀬に裏を取られ、多田が詰めるものの山瀬が技ありのほんのりループで先制点を献上してしまう。反対側のゴールだったので、状況があまりわからなかったが、リプレイを見るとどうも山瀬にボールが入ったときのラインがガタガタでそのギャップをつかれていた模様。あまりうまくいっていない4バックで、つたない守備でやられてるんじゃなあ。


その後もセレッソは効果的な攻撃を見せることなく、カウンターからマイクハーフナーに見事なハーフボレーを決められ2点差に。これで試合の大勢は決し、見せ場なく今季初の連敗となってしまった。


ぬれたピッチに対応できていなかった旨が試合後の監督コメントで触れられていたが、じゃあ雨が降る度に負け続けてて優勝、昇格ができるのかとなるわけで、その時の状況に応じた対応ができないようじゃ強いチームなんていえるわけもなく。さらに押されてるからって安易に4バックにして無様な失点してるようじゃ、着実に勝ち点を積み上げられないわけで。加えて4バックにしたときのCBはハネケン、江添のコンビで守りきれると思ったのかなあ、大いに疑問。


たしかにクルピが監督をしていなければ、マルチネス、チアゴ、さらにはカイオも連れて来れなかったんだろうけど、これでJ1でも残留できるチームが作れるのかといったら、とても難しいように思われる。たしかに今が解任のタイミングかといったら、そんなことはないのだが、とはいえこの監督を信じてついて行けるかといったら、とてもそうは思えない。


もちろん不甲斐ない戦いぶりを九州まで行って見せつけてくれた選手たちにも不満はたくさんあるのだが、そもそものチーム作りがしっかりしていないんじゃ、あまりに不安が大きいなあ。しかも今週はミッドウィークにも試合がある。今度の相手、愛媛もこの日の鳥栖と同じく、前節で大勝し勢いに乗っているチーム。立て直す時間も限られているし、あまり希望がもてないなあ。